RPA導入前に要確認!4つのデメリットと対処法を徹底解説
定型業務を自動化し、生産性アップにつなげる解決策として、RPAに関心がある方も多いのではないでしょうか?事実、RPAについて調べてみると多くの記事で導入効果やさまざまな導入メリットが解説されています。
しかし、RPAのデメリットにふれられる機会は少なく、安易に導入すると思ったより成果が得られない、思わぬところでリスクが顕在化してしまう、ということもあるでしょう。
RPAのデメリットは対処できないほど難しいものではありません。本記事では特に注意するべきRPAの4つのデメリットをご紹介します。デメリットと対処方法を知ったうえでRPA導入の検討を進めましょう。
目次
デメリット1: プログラミングスキルが必要
RPAツールのウリの一つが「プログラミングなしで業務自動化が可能」なことです。たしかに、多くのツールはプログラムコードを書かずに画面操作で業務を自動化できます。
しかし、実業務で行われるようなさまざまな手順をRPAツールで自動化するには多くのノウハウが必要となり、そこには「プログラミング的な思考」が必須となります。ツールによる補助はあるものの、コードを書くか画面を使って構築するかの違いともいえます。
自社で本格運用するにはプログラミングの基礎知識に加えて、導入するRPAツールを扱うノウハウを持った人材が必要になります。
対処法
プログラミング技術のある人材が組織にいない場合は、中長期的な教育が必要であることを折り込みましょう。
RPA導入事業者から教育を受けつつ社内に定着させ、段階的に自社運用を目指すという流れが一般的です。
デメリット2: ライセンス料金以外にも費用がかかる
RPA導入のコストとしてツールのライセンス料金が注目されがちですが、費用はそれだけでありません。RPA事業者に導入を依頼した場合、大まかに下のような費用がかかります。
「導入時にかかる費用」
- コンサルティング
- 開発・導入
- 研修
「継続して発生する費用」
- ツールのライセンス
- 保守
ツールにかかるライセンス料金はRPAにかかる費用の一部にすぎません。ライセンス料金を主軸に導入検討を進めた場合、投資費用を回収できないリスクがあります。業務変更に合わせて修正を行う必要もあるため、継続的な保守料金がかかる点も要注意です。
対処法
RPA導入の契約前に、自動化の効果と導入費用を比較しながら意思決定できるようにしましょう。
自動化対象の業務が決まっていれば、次の計算で大まかな月当たりの導入効果を計算することができます。
業務実施者の人件費(時間当たり) × 削減時間 × 頻度(月あたりの実行回数)
計算した導入効果が継続して発生する費用を上回ることをまずは確認し、導入費の回収期間なども考慮しながら検討しましょう。
導入前の契約時点で、なにを自動化すればよいか分からなくて導入効果を計算できないという方は、バルモアの自動化サービスをご検討ください。バルモアでは、自動化業務選定のご支援や自動化後の業務フローの作成を無料で実施し、ご契約前に導入効果と費用を比較できるようにしています。
デメリット3: 業務の属人化が進むリスクがある
RPAを導入することで誰でも業務を実行、管理できるようになると思われがちですが、逆に属人化が加速するケースがあります。自動化対象の業務が組織的に管理されず、各々が好きなように自動化を進めている場合です。
RPAによる自動化はプログラミング的な側面を含みます。業務が複雑になるほどその側面は強くなり、自動化した担当者しか何をしているか分からない、変更があっても修正できない、といったトラブルにつながりかねません。RPAに必要な技術を理解していても、他人が作成した自動化プログラムを修正するのは難しいのです。
RPAツールで作成したロボットがエラーで停止した場合や、業務変更が必要になった場合、自動化を実施した本人が修正しなくては業務が止まってしまいます。
対処法
RPAで自動化する業務を組織的に管理し、次のことを徹底することで属人化を防ぎましょう。
- ロボットが実行する処理フローをドキュメント作成する
- ロボットが停止した場合に備えた手作業でのマニュアルを作成する
- 変更があれば即座に上の二点へ変更を反映する
デメリット4: RPAの管理に追われて非効率的になるリスクがある
生産性を向上する目的で導入されるRPAですが、RPAの活用が目的化され、なんでもRPAで自動化しようとするとかえって非効率化を招いてしまいます。
RPAで自動化した業務は100%正常に実行されるわけではありません。実行者のパソコン環境、利用するツールの変化などで実行できなくなる可能性があり、継続したメンテナンスが必要になります。
RPAで自動化した業務が多すぎるとそのメンテナンスやドキュメント、マニュアル作成に追われます。RPAによる自動化が適切な業務なら良いですが、RPAでなくても効率化できる業務の場合、本来必要のないメンテナンスなどが発生して非効率的になってしまいます。
対処法
なんでもRPAで自動化しようとせず、最適な効率化手段を模索しましょう。
例えば次のようなことを考えることができます。
- システム化できないか(要件がしっかり固まっていて、導入効果が大きい業務)
- クラウドサービスなど、外部のサービスを利用できないか
- 業務そのものを単純化できないか
まとめ
RPAを導入して生産性を大きく向上することができますが、上手く活用するためにデメリットを把握し対処する必要があります。
まずは自社にプログラミング技能のある人材がいるか確認しましょう。RPAを自社主体で運用できるようになるまでに必要な教育の投資規模に大きくかかわります。
実際にRPA導入の契約を行う前に費用と効果を比較しましょう。RPA導入の費用はライセンス料金だけではないので注意が必要です。自動化対象の業務が明確であれば大まかな効果を算出することができます。
RPAを導入した後は自動化対象の業務を組織的に管理し、ドキュメントとして処理フローなどを作成することで業務の属人化を防ぎましょう。外部に保守を依頼する場合はドキュメントの更新もサポートしてくれるか確認しておきましょう。
RPAによる自動化になれてくると、なんでもRPAで自動化したくなるかもしれません。しかし、少し慎重になりRPAによる自動化が最適な効率化の手段であるか考えるステップを挟みましょう。RPAは効率化の手段の一つにすぎないという意識を持つことが大切です。
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