残業を減らす4つのルール。業務改善の時間がない中小企業だけの方法

残業を減らす4つのルール。業務改善の時間がない中小企業だけの方法

4つのルールで残業削減!

働き方改革法案にて残業時間の罰則付き上限規制が設けられ、大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から適用されます。

中小企業の場合は1年の猶予があるとはいえ、今すぐにでも法改正に対応できるよう残業時間の削減に取り組む必要があります。しかし、残業を削減しようにも業務の棚卸をする時間も人手もかけられないというのが中小企業の現状ではないでしょうか。

本記事では、業務改善に取り組む余裕がない中小企業の課題を解決するために、時間をかけずに残業時間を減らす4つのルールを解説します。

残業時間を減らすには、まず計測

残業時間を減らすためには、今ある残業時間を測定する必要があります。現状の残業時間を把握しなければ、取り組み効果がわからないからです。

「手当たり施策を打ち、結果的に目に見える形で残業している人が減ればそれでいい」というケースもありますが、残業削減のために行った取り組みが逆に残業を増やしている可能性も考えなくてはなりません。

残業時間の計測といっても手間はかかりません。クラウド型の勤怠管理システムを導入するだけです。クラウド型であれば従業員一人当たり数百円ほどで、打刻するPCも1台で済みます。

各社さまざまな勤怠管理システムを提供していますが、機能はほぼ同じです。本記事では、市場シェアが大きい「KING OF TIME」を紹介します。

キングオブタイムURL

一人当たり月300円で利用でき、PCやモバイル端末での打刻であれば初期費用も掛からないのでオススメです。

まずは勤怠管理システムを導入し、現時点での残業時間を計測しましょう。

時間をかけずに残業を減らすにはルールによる意識改革から始める

一般的に残業を削減するには、業務の棚卸をして非効率な業務を洗い出す作業が必要です。それで非効率な業務が見つかれば、業務フローを検討し効率化すればいいので話は簡単です。

しかし、中小企業の場合は時間がありません。人手も不足しているし、現状の業務で手一杯というところが大半ではないでしょうか。

業務改善に時間をかけられないのであれば、まずはルール作りから始めましょう。ルールであれば、時間もコストもかかりません。

ルール作りだけで効果が出るのかという疑問もあると思いますが、実際に企業で実践され効果が出ています。以下は一例ですが、検索すればこのような事例は山ほど出てきます。

【HR NOTE | 人事部から企業成長を応援するメディア】
残業削減に向けた企業事例10社|残業チケット&ペナルティ、在宅勤務、朝方勤務、トップのコミットなど

ルールを作って社員の意識を変える。まず取り組むのはこれだけです。

すぐにできる残業削減のための4つのルール

ルールは社員の意識を変えるために設定します。業務内容は変わりませんが、ルールを設定するだけで社員の意識を変え、仕事の取り組み方までも変えてしまうのが本記事で取り上げるルールの趣旨になります。

タスクの見える化

「タスクの見える化」は一日のタスクを第三者が見える形で可視化するものです。可視化する方法は問いません。ホワイトボードに張り付けたり、タスク管理ツールを使うことも考えられます。

例えば、ホワイトボードに社員の一日の業務をふせんで張り付け、優先順位付けします。そして、一つのタスクが終わるたびに完了マークをつけて進捗を記録していきます。

大事なのは第三者がタスクを確認できること。残業が発生する理由の一つに優先度が低い作業に時間を使い、優先度が高い作業が後回しになることが挙げられます。第三者がタスクを確認できる状況に置くことで、タスクを見える化することで、社員自身が優先順位付けを意識的に行える仕組みを作ることができます。

残業申請制度

「残業申請制度」は、事前に申請をしなければ残業できないというルールです。申請理由をもとに残業可否を判定します。申請書類を用意するとそれだけで手間なので、上司へ口頭で述べればそれで構いません。

これは残業ありきの意識を変えるルールです。制限なしに残業できると、定時内で終わる作業も気づけば残業しているという状況になりかねません。具体的な理由を求めることで、本当に今日やらなければならない業務かどうかを判断でき、重要度が低い業務による残業を防げます。

社内資料にパワポを使わず、要点まとめた文章だけ

社内資料をパワーポイントで作るとデザインにこだわるあまり、時間がかかってしまいます。そこで思い切って、社内資料にはパワポの使用を禁止し、要点をまとめた文章にすることで時間短縮を図りましょう。

そもそも資料を作る目的は情報共有です。対外的な資料はまだしも、社内向けであればデザインをきれいに仕上げる必要はありません。文章で要点だけをまとめて配布すれば大幅な時間短縮につながります。

会議する内容は不明点の確認だけ

会議の内容を不明点の確認だけにするルールです。事前に説明資料を配布して出席者に読んでおいてもらい、会議では不明点のみ説明すればかなりの時間短縮につながります。

なぜなら会議に費やす時間の大半は説明だから。一般的に会議というと、売上や販促の状況を確認する営業会議や戦略上の課題について解決策を説明するものです。出席者の前で説明する必要性がないのならそこを省くだけで簡単に効率化できます。

忘れてはならないモチベーションの話

これまで紹介してきたルールはご覧の通り簡単に作ることができます。ただ忘れてはならないのは社員のモチベーションです。

ルールを作って、「今日から始める」と宣言するだけでは誰もついてきません。ただの命令ではなく、残業削減ルールを設ける意図を社員のインセンティブになるよう説明しましょう。

「残業を削減する目的は法律で決まったから」だけではないはずです。コスト削減名目で語られることが多い残業対策ですが、業務の無駄をなくして「社員の健康に配慮する」「付加価値の高い業務をすることで成長してもらう」といった社員にとってもインセンティブになりうる目的が挙げられます。いかにして、全社員一丸となって業務削減に取り組む空気を作れるかが鍵になります。

まとめ

残業削減に時間をかけられないのであれば、まずはルールを活用した意識改革から始めましょう。残業の原因が業務量の場合もありますが、意識の問題によるところも少なくありません。

ただ、気をつけておきたいのはルールの徹底とともに社員のモチベーションも上げることです。一方的な命令形式ではなく、社員にとってもインセンティブとなる意図を説明し、残業削減に取り組みやすい環境を作りましょう。